弦楽器特有の奏法、記号


コントラバスは!弦楽器です!
ここでは吹奏楽部で見逃されている事の多々ある(なんせ他に弦楽器いないですから)弦楽器特有の記号、奏法についてこの辺を押さえておけば大体なんとかなるだろうもの達を解説します。



このページの下の方で解説している特殊奏法の動画での解説はこちら↑


★arco(アルコ)
基本中の基本!
弓で弦を擦って音を出す奏法の事をarcoと言います。
そしてこの弓を動かす動作の事をボウイングと言います。

ボウイングの説明や練習については
で細かく解説しています。



★pizz/pizzicato(ピツィカート)
こちらも基本中の基本。
弓ではなく指で弦を弾いて音を出す奏法です。



★Bartok pizzicato(バルトークピチカート)
図のように音符の上にリンゴみたいな記号があったらバルトークピチカートです。
弦を指板から垂直方向にはじき、指板にぶち当ててバチン!と言う音を出す奏法。
バチン!と言う打撃音とドーンと言う音程のあるピチカートの音が両方同時に鳴るようにして下さい。
指板の切れ目のちょいと上辺りの弦を掴んで引っ張り、離すと上手くいきます。

一時邦人作品でやたら流行ったんですが、ブームは過ぎ去ったようです。
吹奏楽の最近の楽譜だと ”snap” と文字で表記されていて、上にバルトークピチカートの記号が記載されているのをちょいちょい見かけたりするかもしれない。



★slap(スラップ)
手で弦と指板をまとめて叩き、バチン!と音を出します。まあ吹奏楽的な曲では滅多にお目にかかりません。
ロカビリーとかでリーゼントのおっさんが、黒地に炎のペイントがされたコンバスや真っ白なコンバスに乗っかって高速でペチペチやってるヤツに近いですが、吹奏楽やオーケストラであんなにペチペチすることはないです。

そして更にめんどくさいことに、エレキベースのスラップ奏法とはまたちょいと別のモノです。
楽器のサイズやら何やら全然違うので、理屈が一緒でも動作は全然異なりますので気を付けてください。


上記の “snap” と混同しないように注意してください。
両方とも英語なのですが、そもそもの意味は

“snap” は指パッチンとか棒が折れる”ポキッ”みたいな音とかを指します。

”slap” は手や何かでひっぱたくことを意味します。

たった一文字の“N” か ”L” かの違いで、出さなきゃならない音は大違いですので、楽譜をよく見て間違えないようにしましょう!



★tremolo(トレモロ)
譜例のように音符に3本斜めの線が入っていたらトレモロです。
その音符をとにかく細かく刻み打楽器のロールのようにザザザザザと弾きます。コントラバスの人数が少ないとなかなか狙った効果が出づらいので頑張って下さい。
間違いやすいのですが、こちらは斜めの線が2本になっています。
この場合はトレモロではなく、"16分音符で刻め"と言う指示です。間違えない様に気を付けて下さい。
ちなみに斜めの線が1本だと"8分音符で刻め"になります。


 

★con sordino(コン ソルディーノ)

ここでミュートをつけろーと言う指示。
我々はコンソルと略す事多め。
『con sord.』『mute』 『mit dampfer』と書いてあることもあります。

★senza sordino(センツァ ソルディーノ)
ここでミュートを外してーと言う指示。
我々はセンツァと略す事もあり。
『open』『ohne dampfer』と書いてあることもあります。



★col legno(コル レーニョ)
弓の毛ではなく、竿の部分で弦をコンコン叩いて音を出す奏法。コンコン叩く音と音程のある音が両方鳴るようにして下さい。
大事な弓を弦にぶつけなければならないので弦楽器奏者は大抵嫌がる。


★sul tasto(スル タスト)
弓の位置を指板の上に置いて柔らかく弾く。
フワッフワの柔らかい音と響きが出ます。
我々はタストと略します。


★sul ponticello(スル ポンティチェロ)
駒寄りギリギリの辺りを脱力して弾いて、ヒャンヒャンした金属音的な音を出す奏法。
我々はスルポンと略しますね。呼び名は可愛いのに出る音は可愛くない。むしろホラー。
吹奏楽ではトレモロとセットで出てくることが多いかも。

この3つの特殊奏法は
(Son) naturel
(col) arco
(sul) ordinario (もしくはord.)
のいずれかの記号で普通の音に戻して下さい。



★Flageolet もしくはFlagioletto(フラジオレット)
英語だとHarmonics(ハーモニクス)。
弦長の1/2、1/3、1/4…となる場所を押さえずに弦に触れて弾き、倍音を取り出す奏法。
貫通力のある澄んだ音がします。
我々は通常フラジオと略すことが多いかも。


ちなみにG線の場合
1/2は解放の1オクターブ上のG
1/3はネックとボディの接合部付近のD
1/4はC
1/5はH
の辺りにあるので試してみて下さい。
触る場所が少しでもズレると鳴りません。

実際の楽譜の記載ですが、少しややこしいです。


譜例その1
音符の上もしくは下に○が付いているのが"フラジオで弾け"と言う記号です。
この楽譜は丁寧に下にもflag.(フラジオレットの略)と書いてあります。

この書き方の場合は
○が付いた音をフラジオで
記載された音(この楽譜は"8…"の記号があるので実際は1オクターブ上です)で弾く

となります。


譜例その2
コレがややこしいです。

まず1つ目の音を見てください。
音符が縦に3つ並んでいます。コレは音を3つ出すのではなく、フラジオの出し方を指定しています。

下の2つが音を出すための場所を指定しています。 
1番下はどの弦を使うかの指定です。
この場合はE線ですよと言う意味です。

次に真ん中のちょっと四角い白玉の音符が弦に触る場所の指定です。
この場合は1つ目の指定でE線が指定されているので、E線でこのCisの出る場所を触れて音を出せと言う指定です。

最後に1番上の音符が実際に出る音を表します。
この場合はGisの音が出ますが、"8…"がありますので1オクターブ上のGisを出せと言う指定です。


なので
2つ目の音はA線でFisの場所を触れてCisの音
3つ目はD線でHの場所に触れてFisの音
4つ目はG線でEの場所に触れてHの音
となります。

最初は解読が難しいかもしれませんが、楽しいので色々遊んで試して見てください。