コントラバスは吹奏楽やオーケストラだけではなく、ありとあらゆるジャンルや形態の音楽で使われています。
そのためジャンルや必要な音に合わせて、たくさんの種類の弦が売っています。
ちょっと検索でも掛けて貰えばすぐ分かりますが、パッと見ただけではどれを選ぶべきかよく分からず迷ってしまいます。4本セットで軽く数万円してしまいますから、せっかく張り替えるなら失敗は避けたいですしね。
なので幾つか知っておいて欲しい事と、吹奏楽で使うのにオススメの弦を紹介したいと思います。
あなたの楽器には弦が何本ありますか?
現在主に使われているコントラバスには弦が4本の4弦と呼ばれるものと、弦が5本の5弦と呼ばれるものの2種類があります。
最近は吹奏楽部でも稀に5弦の楽器を見かけるようになりました。
あなたの使っている楽器に必要な本数の弦を買って下さい。
現在主に使われているチューニング方法は2種類あります!
1つはオーケストラチューニングと呼ばれている方法で、こちらが吹奏楽でも使われている皆さんのよく知るもの。
4弦であれば上からG-D-A-E、5弦はその下にHもしくはCを付け足した音になります。
もう1つがソロチューニングと呼ばれている方法で、主にソロを弾く際に使用され、オーケストラチューニングよりも全ての弦が全音高く、上からA-E-H-Fisの音になります。5弦ではあまり使われているのは見た事がありません。
特殊なチューニング方法を除けば主にこの2つで、オーケストラチューニングとソロチューニングでは使用する弦が違います!
僕らはオケチュー、ソロチューなどと略しますね。
他にも五弦用のH線、エクステンション(E線の上部にくっつけて下のCの音まで出せるようにする装備)用のC線などがあります。
弦の袋に書いてあるとは思いますが、見逃して間違えて買わないように注意してください。
基本的にはオーケストラチューニングの4本セットを買えば問題ないと思います。
○ジャズ、ポップス、ロカビリー向けのものは吹奏楽での使用はオススメしません。
どれもピチカート主体の弾き方をしますので全体的に弦が細く柔らかく、左手も押さえやすいし反応も早いのですが、アルコだと音色がギャンギャンしてしまって吹奏楽やオケでどっしりと他のパートを支えるのには向きません。
○ガット弦(昔ながらの羊の腸の弦)も吹奏楽部にはあまりオススメ出来ません。芯がガットで周りは金属巻きみたいな物もありますが、こちらも同様にオススメしません。
ガットはまずべらぼうにお値段が高いので部活で使うには厳しいです。
そして金属の弦とは管理方法がちょっと異なりますので、きちんと面倒を見てやらなければなりません。
音色も柔らかく、きちんと手入れをしてやれば何年も保つようですが。
主に古楽なんかをやる方達は好んで張ってらっしゃるようです。
さて上記を踏まえた上で、幾つか吹奏楽部向けにオススメの弦を挙げておきましょう。
弦の表記は 商品名/メーカー です。
★Flexocor/Pirastro(フレクソコア/ピラストロ)
コントラバス弦のメーカーとしては、最も有名と言っても過言ではないピラストロ社の弦。
ピラストロ社からだけでも何種類も弦が販売されていますが、その中でも吹奏楽部に僕がオススメする頻度が高い弦です。
理由は
○弦と楽器には「この楽器にはこの弦は良いけどこの弦はあまり合わないな…」みたいな相性の様なものがあるのですが、まあ大体どんな楽器でもそこそこの音を出してくれること。
○吹奏楽に向いている弦の中では比較的お値段も安め。
の2点です。
★Belcanto/Thomastik(ベルカント/トマスティーク)
ここ数年でじわじわと周りに張ってる人が増えてきた感じがあるこの弦。弾いている感触も楽で柔らかく良い響きがします。
お値段もお手頃価格です。
最近はYouTubeなんかで色んな国の色んな方々の演奏が手軽に聴けますが、この弦を張っている方はかなり増えてますね。
吹奏楽部にあるような楽器に張ると楽器との相性がどうなるかを、まだあまり多くの例を見れていないため調査段階ですが、今のところ概ね良好な模様。
★Original Flat-Chrome/Pirastro(オリジナルフラットクロム/ピラストロ)
プロのオーケストラにある楽器なんかは結構な頻度でこの弦が張ってあります。王道中のド王道。しかし最近は前述のベルカントなんかも増えてきまして、弦の種類と選択肢が増えた分バラついて来たかもしれません。
僕自身も色々な弦を試してはみるんですが、普段仕事に持っていくことの多い5弦なんかはしばらくすると結局この弦に戻ってしまいます。
良い弦なのですが、いかんせんお値段が高いです。前述のフレクソコアやベルカントよりもセットで軽く一万円以上高い。
弦自体がかなり強力なので合板の安い楽器に張っても楽器が負けてしまってあんまりかも知れません。もししっかりした楽器があってちょっとお金に余裕があれば試してみても良いかも。