ボウイングのセオリー7


ボウイングの基礎練習3



ここまでの練習その12、3では弓のスピードは変わらず、使う量が変わるだけでしたが、ここで弓を動かすスピードが変わります。



練習その4



楽譜は練習その2と同じですが、弓を使うスピードが変わります。


↑この楽譜の二分音符を全て全弓で弾きます。

と言う事は練習その1〜3で動かしていた倍のスピードで弓を動かさなければなりません。結構速く、忙しく感じると思います。

もし音を出しづらいと感じる場合は、弓をセットする位置を数センチほど上に上げるとやり易くなると思います。
その場合でも、必ず弦上の1点を弾くようにして下さい。
↑弓元の端から



↑弓先の端まで
弓の弾ける場所を目一杯使って下さい。
そして


↑2拍目、4拍目のメトロノームが鳴った瞬間には弓真ん中の印を通過するように注意し、弓は均等な速さで動くようにして下さい。


ホントにしつこいですが、
弓を弦に対して垂直に一点で動かし、スピードと重さが一定であるように、音量を出そうと思いすぎて力を入れ過ぎてしまわないように常に心掛けて下さい。


弓のスピードが速くなるので、右腕と弓の軌道をよく観察してみて下さい。
全てが上手くいくと、練習1〜3に比べて音量が跳ね上がると思います。
文章だとなんとも伝え辛いですが、弦が「ぎー」と鳴る音よりも、楽器のボディが「おおおおん」と鳴る振動を感じてもらえると良いと思います。


これもまたしつこいですが、スピードが上がる事で身体と腕全体、特に手首から先に力が入り過ぎないよう注意して下さい


弓の端から端まで安定して美しい音が出せるようになるまで繰り返しやってみて下さい。



練習その5



練習その4と同じ弓のスピードで↓下の楽譜を弾きます。
四分音符を弾くと弓の量は半弓になります。


なのでまずは弓元半弓で(↓下写真黄色枠)



元半弓で出来るようになったら
↑真ん中の2マス。



これも出来るようになったら
↑弓先の2マス(先半弓)


と、これまでの練習と同様に全ての位置で良い音が出るように練習してみて下さい。

あまりに同じ事を繰り返し書いてもアレなんでもう書きませんが、気をつける事は先述の練習と同様です。







ボウイングの基礎の基礎練習をその1〜5まで挙げてみました。


D線で上手く出来るようになったら、今度は全ての弦で同じように出来るようにして下さい
弦にはそれぞれ角度があるので、腕を動かす方向が変わります。
弓の角度と腕の動く方向によく気を遣って練習して下さい。



さあこれでようやく教則本に入る準備が出来ました!
ここまでのセオリーや練習内容を踏まえた上で、お手持ちの教則本に取り掛かって下さい。


と言うのも、ここまでの練習は

★「入門者のためのコントラバス教本/鷲見精一」
p.20

★「NEW METHOD FOR THE DOUBLE BASS/F. Simandl」
p.6 の最初の2段。

★「HIYAMA NOTE シマンドル習得のために/檜山薫」
p.18 の最初の2段

これらの教則本の一番最初の部分を徹底的に叩き込む為の練習です。
ボウイングのルールや知識と必要な動作を叩き込んでから教則本を進めて下さい。



もちろんここまでの練習のその先、八分音符や十六分音符の練習もやると良いです。

慣れてきたらボウイングのセオリーに則って音量や音色を変える練習もしてみると良いです。
最初のうち違いが分かりやすいのは、弓を弦のどの位置に置くか、でしょうか。
同じ練習でも指板の上あたりでやるのか、駒の近くでやるのかで音色音量、弾いている感触もかなり変わります。
思いつくままに試して遊んでみて下さい!





吹奏楽部の子達って左手にばかり意識がいきがちなんですが、それ以前に音を出すのに重要なのは右手のボウイングです。

もうコントラバスを弾いて数年経っていて「ボウイングなんか楽勝だぜ!」とか思っている人でも、騙されたと思ってこの練習に取り組んでみて下さい。

コントラバス持ったばかりの初心者の人はまずボウイングの練習から始めて下さい。


ちなみに僕の師匠はコントラバスを習い始めて最初の一年間の間、「解放弦のボウイング練習しかさせてもらえなかった」そうです。


それくらいボウイングは大事な要素です。
自分の出したい音を磨くための重要な時間です。
是非やってみて下さい!