4弦の楽器ですら、合計が軽く100キロを超える圧力を24時間365日じっと黙って耐えながら、振動を表板へと伝える重要な役割を黙々とこなし続けるニクいやつ。
そう、それが駒です。


そして、それだけの力をかけられ続けている重要な部品であるにも関わらず放置されてしまい、ヤバい状態になってしまっている楽器に遭遇するコトが多いです。
そう、吹奏楽部ではね。


楽器の鳴りや弾き易さに直結しますので、良い状態に保ってあげられるよう気を付けて下さい。


ちなみに上の写真は左右でちょこっと形が違いまして、
左がベルギースタイル
右がフレンチスタイル
の駒です。どっちが良いかは好み次第です。



さてさてお次の写真です。
上下共にフレンチスタイルの駒ですが、大分形が違います。よくよく見比べて下さいませ。

下の写真の方が上のものよりも分厚く大きい事が分かりますか?
足の1番下の楽器に接地する部分なんかが分かりやすいかもしれません。


駒はメーカーから楽器屋さんに納品される時は、下の写真のような分厚くごつい状態でやって来ます。
その後職人さんの手によってそれぞれの楽器にピッタリ合うように丁寧に丹念に削られて、上の写真のように皆さんの見慣れた完成形の駒になります。




駒の高さを調節するネジ(アジャスター)を付けることもできます。最近は付けてる人が増えて来た感あります。

日本は一年の中での湿度の差が激しく弦高がかなり変化してしまいますので、その都度弦高をすぐ調節できるのは便利ですが、振動を伝える駒の間に金属を挟むので多少なりとも音色は変わります。

そして重要な事は
駒は魂柱と同じく糊や釘で留まっているのではなく、弦の圧力で挟まっているだけです。
 
その為、衝撃を与えるたりすると簡単にずれてしまいますし、弦を全て緩めたりすると外れてしまいます。

更に駒の周辺は常に弦の圧力がかかっている為、ぶつけたり駒側に楽器が転がったりすると簡単に楽器が割れたり剥がれたりしてしまいます。

僕は以前
床に置いておいた楽器に人がぶつかり、駒が下になった状態で転がって衝撃が駒→表板→魂柱→裏板へと伝わり、裏板側の側板下半分が大々的にべりっと剥がれた事があります。
 
駒の周辺はコントラバス最大のウィークポイントです。とにかく守ってあげて下さい。