EQ




アンプに搭載されている


EQ(Equalizer/イコライザー)
 
について説明したいのですが、そのためには少し"音"と"音色"について理解してもらわなければなりません。
出来れば全て理解して使って欲しいのですが、ちょいと難しめなので、どうしても分からなかったらだーっと斜め読みして動画だけ聴き比べてください。
 
 
チューニングの項でも説明しましたが、"音"は空気の振動で、振動の回数が多くなれば音は高くなり、少なくなれば音は低くなります。

そしてその回数、音の高さは「1秒間に何回振動するか」をHz(ヘルツ)という単位で表します。
さてそれを踏まえて次の動画をご覧ください。


注!
音色が重要なので、このEQのページの動画は全て是非イヤホン、ヘッドホンなどを使うか、ちゃんとしたスピーカーに繋いで聴いてください。

細かい説明は省きますが、スマホなどのスピーカーでは物理的に低音が再生できず、音色の変化を聴き取る事はかなり難しいです。
 

 
動画の画面で山みたいな線が音に合わせてビヨビヨ動いていましたね?
これは先ほど説明したHzと音量(dB/デシベル)を測定して、「今この高さの音がこれくらいの音量で出てますよ!」とグラフにして見せてくれるアナライザーと言う機械です。

動画でビヨビヨ動いていた、赤い線で囲った山が今実際に鳴っている音を表しています。


グラフの縦が音量を表すので、山が大きくなるほど音量が大きい事を表します。
グラフの横が何Hzかを表すので、山が右にあるほど高い音である事を表します。

先ほどの動画ではひたすらB♭の音を単音で弾いていたので、その音がビヨビヨとグラフに表示されていました。
そのB♭の音は58.2Hzですので、グラフの中だと
緑の線を引いた山の部分です。



そうすると、グラフの中にあと5つ山が残っています。
こちらにも線を引くと
B♭58.2Hzの倍、3倍、4倍…となる音が鳴っていることが分かります。


この音の事を倍音と言います。
倍音はコントラバスでもエレキベースでも、他の楽器でも常に鳴っています。


楽譜にすると
あなたがこの音↑をエレキベースやコントラバスで弾く時は



↑実はこれらの音も同時に鳴っていると言うことです。
慣れると聴き分けられるようになったりします。


理論上は2倍3倍4倍5倍6倍7倍…といくらでも上まであります。


それらの倍音や弦の擦れるノイズなど、全て混ぜ合わせたものが、あなたの聞いている"音色"です。

あなたが音を出す時には、実は低い音から高い音まで様々な音が混ざって出ていると言うことです。


吹奏楽なんかと同じですね。
ピッコロからチューバまで色んな高さの音を出す楽器達が集まって、お客さん達は全員が出して混ざった音を聴きます。

例えば吹奏楽団全員で一緒にチューニングB♭の音を鳴らした時
「うーん、あんまりいいバランスじゃないなあ」
となると、指揮者の先生が
「もうちょっとピッコロ小さく!」
とか
「クラリネットもっと出して!」
とか指示を出して音のバランスを取って良い響きを作ると思います。


このバランスを取るのがEQの役目です!
あなたのベースの中にまるまるひとつの吹奏楽団がいると思ってください。
その楽団に指示を出す指揮者がEQなのです。


さて指示を出す指揮者は、皆がそれぞれどんな音を出すのかを知っていなければなりません。
順番に使い方と音を確認していきましょう。



ツマミが4つ並んでいます。

全て真ん中がゼロ。
左にめいっぱい回すと-15。
右にめいっぱい回すと+15。
となっています。

大きくしたい時は右に、
小さくしたい時は左にひねってください。


基本は全てゼロ、真ん中の状態にしてください。
最初の動画は全てゼロでした。


それでは左から順番にどんな音になるかを動画で確認していきましょう。もちろん実際に自分でも音を出しながらアンプのツマミを回して確認してください。




 

1番左のBASSと書いてあるツマミ。
これは1番低い音域を担当します。
 

ベースの中の楽団のチューバ、コントラバス、バスドラ辺りのメンバーに指示を出すツマミです。
この動画では分かり易くするために、BASSを最大にして目立たせ、他のパートは最小にして引っ込んでもらいます。
 



 

左から2番目のLOW MID(low/低い、midはmiddleの略で真ん中)と書いてあるツマミ。
これは中低音域を担当します。

 
ベースの中の楽団のユーフォ、トロンボーン、ホルンなどの音域に指示を出します。
こちらも分かり易くLOW MIDを最大にして、他は最小です。
 



 

右から2番目のHIGH MID(high/高い、mid/真ん中)と書いてあるツマミ。
中高音域を担当します。
 

ベースの中の楽団のフルートピッコロなど、吹奏楽の中では高音域を担当する楽器達に指示を出します。
HIGH MIDは最大、他は最小です。
 
 


 
1番右のTREBLE(最高音部とか金切り声って意味)と書いてあるツマミ。
高音域を担当します。
 
ベースの中の楽団では打楽器の打撃音やスネアのスナッピーの辺りの担当です。
TREBLE最大、他は最小です。

 



どうでしょうか。

大体の使い方と音色の違いは理解できましたか?

機種によってはLOW MIDとHIGH MIDを合わせてひとつのMIDにしているものも多くあります。
もっと細かく分かれているものもあります。


色々と説明しましたが、エレキベースやアンプの各種スイッチなどはとにかく遊んでみて、音色を身体で感じることが第一歩です。

あとはそれぞれの音を混ぜ合わせて、バンド全体をしっかり支えるあなたの音色を作ってみてください。
 
イマイチよく分からなかったら、最初は全てゼロで弾いておけば大丈夫です。
基本的には補助として使い、音色は右手の弾き方でコントロールした方が上手くなると思います。