ペグ周辺




弦を留めて巻きチューニングをするために、他の弦楽器は木製の棒に弦を巻きつけてはめ込みますが、コントラバスはでっかくて弦が太すぎるため、金属製の歯車が標準装備されています。


単純な機構ではありますが、長時間放置されて不具合が生じているのを見る事が多い部分でもあります。

それではよく見るトラブルとその対処法を説明しましょう。
こちらを読んでから先へとどうぞ。



ペグのトラブルと対処法

 


★ペグが回らない、固い。
この場合、ペグやその周辺が歪んで回らないとかでない限りは第一に油切れが考えられます。
写真の青矢印の部分、ペグの軸と周りの留め金の間あたりに機械油を差してあげてください。

油自体は機械油であれば大体大丈夫なようですが(なんなら556とかでも大丈夫です)、油の粘度などによって差す頻度が変わったり、大量につけてしまうと垂れてきてしまうので少しずつ試してみてください。



★シャーシャーと雑音が聞こえる。
まずはどこから音が出ているかを特定します。
右手で楽器を弾きながら(雑音が出るようにしながら)左手で適当にペグ周りの音がする近辺をあちこち触り(2人で楽器を弾く担当と雑音の元を探す担当に分かれるとやり易いです)、触れると雑音がしなくなる場所を探してください。

大体以下の2つのうちどちらかである事が多いです。


その1
ネジが緩んでいる。
コントラバスの中で唯一ペグ周りだけが大量にネジを使っていますが、音の振動等で緩んできてしまう事があります。
そしてその緩んだネジが音を出している事があります。
写真青矢印のネジが緩むことが多いです。
緩んでしまったネジをサイズが合ったドライバーでキッチリ締めてください。


その2
ペグの板とシャフトを留めてある部分が緩んでいる。
写真青矢印の部分ですね。
この部分もかなり緩みやすいです。
しかしドライバーで締めることも出来ません。本来はペグを丸ごと交換するしかありません。

セロハンテープなんかを貼っているのを良く見かけるんですが、セロハンテープよりも良い方法があります。

かなり乱暴な手ではありますが、この隙間にそっと瞬間接着剤を流し込んでください。
ちょこっとだけですよ。
乾いてくっつけば雑音が止まります。乾くまで触ってはいけません。


ペグ周りの雑音の原因は大体この2つが多いです。あとは弦の端が振動して当たるとかなのでズラしてやるとかでしょうか。


上記のどれでもない場合は楽器屋さんに持ち込んで原因を特定し、対処してもらってください。