ボウイングのセオリー6


ボウイングの基礎練習2



前項の練習その1、全弓で安定して弓を動かす事が出来るようになったら、次は半弓、そして更に4分の1弓をそれぞれ練習します。

安定した良い音を、自分の思い通りの弓の場所で、思い通りの音の長さで弾く為の最初の練習です。



練習その2



練習その1は全弓で4拍音を伸ばしましたが、その2では音の長さも弓の量もその半分にします。
弓のスピードは練習その1と変わりません。
半弓で2拍音を伸ばし、弓を返します。


↓楽譜にするとこう


上の楽譜をまずは弓の元から真ん中までの2マスで練習します(↓下写真黄色枠の部分)。
この時に
「この2マス分から絶対はみ出ない!」
と言う覚悟を持ってやって下さい。
弓が真ん中の印から先にはみ出ないように弓を返します。


↑ここから



↑真ん中までの間を使います。


気をつける事は練習1と同じです。
弓は弦に対して垂直に一点を、同じスピードと重さで弾く。

これをとにかく徹底的に守って下さい。






元半弓が出来るようになったら、お次は弓のこの部分の2マス(↓下写真黄色枠部分)
で同様の練習をします。



↑この部分にセットしてスタートし



↑ここまでの間を使います。
指定した弓の分量を必ず守ってください。
「ちょっとくらいいいかなー」とか思ってはみ出ちゃうと、この練習の意味がなくなってしまいます。






最後は残った先半分の2マス(↓下写真黄色枠部分)
でまた同様の練習をします。


↑弓の真ん中にセットしてスタート。



↑弓先ギリギリまでの間を使います。


弓先の方で弾く時の注意!
弓で演奏する楽器はその特性上、弓を持っている元の部分の方が重さが乗りやすく、弓先の部分の方が重さが乗りづらいです。

具体的にどうなるかと言うと、特に初心者の場合、弓の真ん中から先の方で弾こうと思うと音量が落ちます。

その時に右手に力を入れて弦を押さえ込み、音量を上げようとしてしまいがちですが、やらないように気をつけて下さい。
前項でも述べましたが、最初のうちは音量が小さくても良いです。美しく鳴るコツが掴めてきてから、徐々に音量を上げる練習をしていきます。
無理に音量を出そうとして力まないように気をつけて下さい。




練習その3



練習その3では、音の長さも弓の量も練習その2の更にまた半分、四分音符を4分の1弓を使って弾く練習をします。

弓のスピードは練習その1、2と変わりません。
4分の1弓で1拍音を伸ばし、弓を返します。


↓楽譜にするとこう

上の楽譜を弓元の1マス分(↓下写真黄色枠部分)を使って練習します。

練習その1、2と進んできて音が短くなってきた分、アクセントがついてしまいがちですが、四分音符の中で音量や音質が変わってしまわないように気をつけてください。



↑弓の元にセットしてスタート



↑1マス分までの間を繰り返します。

弓を返す時も弓の角度は弦に対して垂直のまま、弦上の1点を弾き続けることに留意して下さい
音が短くなるとブレてしまう事が多いです。





練習その2と同様に、弓の全ての部分で同じ練習をします。


↑弓元から1マス進んだ所からスタート、真ん中まで。



↑弓の真ん中からスタート。



↑弓先の1マスで。


全ての位置で同じように安定して美しい動作、美しい音が保てるまで繰り返し練習して下さい。

しつこく繰り返しますが、
弓は弦に対して垂直に弦上の一点で動き、弓のスピードとかかる重さも一定になるようにして下さい。

無理に音量を出そうとしないで下さい。
特に弓先の1マスだけの部分はかなり音量が小さくなります。
音量よりも、美しく安定した音になるように心掛けて下さい。

これらを心掛けつつ上記の練習をやって下さい。