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演奏動画公開と今後



大変ご無沙汰しております。

この度生まれて初めて、自分の作った動画を公開する事となりました。

このサイトの解説のためのちょっとした動画はあげていますし、自分がオケとかで演奏しているものは色んなところにあったりしますが。

そういうのではなく、自分で作った自分が演奏している動画。


今回は「アートにエールを!」に参加させていただくことになりまして。



某友人と2人で

コントラバスの4弦、5弦、ソロ弦、オケ弦と
エレキベース
フレットレスのセミアコベース
サイレントベース
エレキアップライトベース

上記全部を使って、J.S.BachのBWV147「心と口と行いと生活で」より、終曲のコラール「主よ、人の望みの喜びよ」をアンサンブル作品に仕上げました。
ベースを7種類10本。

↓これ全部使った


動画はこちらからご笑覧くださいませ。

https://cheerforart.jp/detail/6343
(アートにエールを!の動画ページに飛びます)



さてさて本日この先は、今回作りながら思ったことを、つらつらと記録しておこうと思います。




そもそもの話。
僕は趣味のひとつが宅録でして。
(宅録→レコーディングスタジオでエンジニアさんが録るのではなく、自宅で自分で音楽を録音、編集したりすること)


人生で初めて「レコーディング」なるものをやってみたのは中学生の時。
中学校の先生がオープンリールの録音機器を持っていて、それとマイクや諸々の機材をお借りして、学校の音楽室でバンドの自作曲を録音したのが初でした。


高校生〜大学生とテープやMDのMTR(マルチトラックレコーダー。レコーディングするための機械)を使い、今みたいにパソコンで全部やるスタイルになったのは大学院生になって、自分のMacを手に入れてからでした。

ずっと雑誌(世の中にはレコーディング専門誌なんてものがあるんです)とかネットとかで情報集めて我流でやっていた宅録ですが、バンドでレコーディングしていた時に、エンジニアさんに1から教えてもらったのが、忘れられない自分の中での大革命でした。
期間としては2、3年間くらい?もうちょっと長かったかも。色々な事を教わりました。


やっぱりちゃんと教わる事は大事なんだな、と。
この時を境にかなり変わったと自分では思ってます。
知れば知るほど、出来ることが増えるほど、もっと楽しくなった。



僕の宅録を人に聴かせる際の主な用途は

○コントラバスアンサンブルの曲を編曲して弾いて録ってみて確認、編集してメンバーに参考音源として渡す。

○バンドの曲を作って、メンバーにこんなのできましたー!と聞かせるために、自分で一旦全部録る。

の2つくらいでしたが。
バンドのメンバーは僕の作る音を毎回聞かされているので「お!こーゆーのは前と変わった!」とか、ちょっとした音の進化や変化に気付いてくれたりするのも楽しかった。

「こんなん一人でこもって作り続けて、トモタカってホント暗い子だよな!」とは毎回言われ続けてましたが笑


同じ趣味の同業の大先輩と、酒飲んで大爆笑しながら一晩中録ってみたり。
演奏旅行の間に何人かで一曲作って、録って仕上げてみたり(マイク掴んでホテルの布団に頭突っ込んで叫んだり、iPhone掴んで車の中で全力歌唱してたなあ笑)。

僕の場合、宅録はごく近しい人達や自分と遊ぶためのおもちゃなのかもしれない。

あとはもう自分が聴きたいものや作りたいものを淡々と作って遊んでおりました。
…うむ、やっぱり暗い子かもしれない笑



楽しいんですよ、宅録。
イメージしていたものが、音を磨いて少しずつ実際に出来上がっていくところとか。

実利的な事を言えば、音を編集加工する都合上、耳をすごく細かく使って様々に音を聴き分けねばならないので、そこは相当鍛えられたと思います。
やってて良かった宅録。
耳が鍛えられて聴き分け能力が上がると、楽器から出てくる音も変わるという不思議もあり。

弾くのも聴くのも作るのも、音楽は全部楽しい。


レコーディング仕事の際、プロフェッショナルなエンジニアさん達や、夢のような高級機材に熱視線を送りすぎて変人扱いされるのもいつものこと。

プロフェッショナルのエンジニアさん達はホントすごいですよ。
自分でちょっとだけやるから余計に良くわかる。
あの人達のは最早魔法です。

自分の本業のお陰で、録音のプロフェッショナルの方々の仕事を、現場でチラチラでも拝見できるのは、役得以外の何ものでもございません。御馳走様ですありがとうございます。



まあそんな感じなんで、このご時世でクラシック界隈の人たちがちらほらと宅録に手を出し始めたのは、僕にとっては嬉しいことでして。

だって同じ趣味の人が増えたら楽しいじゃないか!

もともと僕が宅録するのを知っている人で
「このご時世だからちょっと始めてみようと思うんだけど」
なんて人からは、ちょろっと相談も受けたりして宅録好きが増えるのを待ち望んでいる所です。

増えろ!楽しいから!!






映像編集に関しては。
まあ上記のMacを手に入れた!の頃から、仲間内でふざけるとか、結婚式の動画頼まれるとか、たまーにやる程度だったんですが。

今回作りながら思ったんですよ。
こりゃ若い世代がかなり強いよなあ、と。

なんせ今回の映像に関しては
撮影はiPhone
編集はiPad

で全部済んじゃったんですよ…。
これくらいの映像ならパソコンすらいらん時代…。

そうなってくると、物心ついた頃からタッチパネルに慣れ親しんでるデジタル世代に我々がかなう訳ないじゃないですか。
甥っ子や友人の子供達なんて、TV画面を触って操作しようとしますもの。可愛いぜ。

動画に慣れ親しんでるから、引き出しの情報量も桁違いに多いだろうし。
映えっぷりが違うでしょう。
視聴する媒体だってきっと9割とかがスマホでしょうしね。

そこら辺歩いてる、こーゆーの得意そうな若い子捕まえて頼んだ方がカッコいいの出来るんだろうなー。
とか思ってみたり。



実はこのコロナ云々が始まって暇になってから、動画でもあげようかなと思って何曲か録ってはあったんです。
演奏動画のひとつも置いとかないと、サイトで書いてあることの信憑性もないかもなあ、と前々から思っていたこともあり。


しかし悲しいかな。映像編集している最中に、だんだん嫌になってきて止まってしまうんです。
ずっと自分しか写ってないから全然面白くないし、誰が見るんだこんなもんって。

それが今回ですね、自分以外の某友人が入る事によってあら不思議!
某友人をいかに面白くするかを考えていたらスルスルと編集が進み、あれよあれよと言う間に完成してしまいました。
大事なものは仲間と締め切り。

やっぱり1人より2人。ソロよりバンドが好きなんだなあと。
人が沢山いすぎても大変なことも増えてしまったりするけれど、気心の知れたヤツと何か作るのは本当に楽しい。


ずっと仲間内で遊ぶだけのおもちゃだった宅録と映像が外の世界に晒される事になるなんて、こんなご時世になるまでは思ってもいませんでした。



そんな訳でですね。
某友人のお陰でひとつ無事に完成、公開へと漕ぎ着けられたので、録りためて止まっているもの達も、ちょっとずつ完成を目指して編集を再開してみようかなとは思えてきました。ちょっとだけ。


完成したらそっとアップしていくかもしれません。
その時はまたお知らせするかもしれません。


それでは皆様、大変なご時世ではございますが、くれぐれもご自愛下さいませ。