コントラバスのG線側のF字孔から中をのぞいてみてください。
写真の青丸の辺りに柱が一本立っているのが見えますか?
もし万が一、何度何人で確認しても「あれれ?何もないぞ?」と言う人がいたら、即座に弦を緩めて弦と駒とテールピースを全て外し、楽器屋に駆け込んでください。
この部分には魂柱(こんちゅう/Sound post)と言う柱が立っています。
これは弦から駒を通って表板に伝わってきた振動を裏板へと伝え、更に楽器を支えると言う重要な役割を持っています。
位置がほんの1mmでもズレるととんでもなく音が変わってしまいます。
いい感じの位置に楽器に、ピッタリ合ったサイズの柱が立っていなければなりません。
柱は楽器に合わせて一本一本手作業で作ります。
そしてこの魂柱は
↑この様な特集な道具を使って(上からコントラバス用、チェロ用、ヴィオリンとヴィオラ用)
写真の様に魂柱にぶっ刺し、F字孔から突っ込んで立てたりずらしたりをします。その後コンコン叩いたりしながら微調整をします。
とても繊細で高度な技術と経験がいる作業です。
そのため
絶対に手を出してはいけません!
僕も触りませんし、怖すぎて触れません。
しかし魂柱は
駒と同様に糊や釘で留まっている訳ではなく、弦の圧力で挟まっているだけです。
そして他のボディ部分と同じように木でできているため気温や湿度、経年変化で伸び縮みをし、最初にどんなにピッタリ合うように作っても数年経つと合わなくなってくることがあります。
そうなるとちょっとした衝撃でズレたり落ちたり、ボディを中から押し上げてしまったりします。
酷いのになると、ちょっと弦を緩めただけでもカラン!と中で柱が落下します。
柱が落ちてしまった場合そのまま弾くことはできません。
まずまともな音が出ませんし、支えがないので弦の圧力に負けて表板が歪んだり割れてしまいます。
一番最初に述べたように、即座に弦、駒、テールピースを外して楽器屋に駆け込んでください。それ以外に方法はありません。
トラブルを防ぎ、楽しく良い音で弾くためにもせめて数年に一度でも調整に出してあげてください。